「見た目の美しさ」という審美的な部分と、「食事をしたり、話をしたり」という機能的な部分の両方をできるだけ高いレベルで両立させることが、矯正治療の大きな目標です。
そして、その治療目標を、治療する側の独りよがりとならないよう、できるだけ患者さんのご希望がかなえられるようにすることが大切だと思っています。
矯正治療に使用する矯正装置には様々な種類がありますが、最も多く使われているマルチブラケットという装置のいいところと悪いところを表にしてみました。
見た目 | 歯の動くスピード | 装置の価格 | |
---|---|---|---|
金属 | 目立つ | 非常によい | もっとも安い |
コンポジット | 目立たない | 少し劣る | 金属とほぼ同じだが わずかに高い |
セラミック | 目立たない | 金属にわずかに劣る | もっとも高い |
金属
コンポジット
セラミック
年齢に関係なく歯並びや矯正治療に関して少しでも気になるところがあれば相談にきてください。
「開始時期について」のページもご参照ください。
お子さんの矯正治療についてどんなことでもかまいません。こんなこと聞いたら恥ずかしいかなあ、などと思わずに、ぜひ一度お子さんを連れてご相談にいらしていただきたいと思います。かみ合わせや、骨格の状態により矯正治療を開始する時期は様々です。また、ご両親から見て何の異常もないような歯並びでも、私たちから見るととても悪いかみ合わせのことがよくありますので、とにかくできるだけ早めに一度見せていただきたいと思います。
大人になると矯正治療ができないと思ってしまう方がおられますが、矯正治療に年齢制限はありません。何歳になられても治療を受けていただくことができます。ですので、どうかあきらめてしまわずにご相談にいらしていただきたいと思います。ご自分の歯並びが気になったときが治療を始めるもっともよいタイミングだと思います。
子供と大人の矯正治療で大きく違うのは、体の成長が残っているのか、あるいはもう成長が止まってしまったのか、というところだと思います。多くのお父さんお母さんが、お子さんの矯正治療をできるだけ早く開始したいと希望されます。早くはじめれば早く治り、将来矯正治療をしなくて済むと思っておられるようです。しかし、残念ながら矯正治療を開始する最適な時期は噛み合せの状態によって変わります。早くはじめれば早く終わる、あるいは早く治療を開始したほうがいい場合も多数ありますが、また一方で、早く始めてもあまり効果がない場合、あるいは早くはじめてはいけないかみ合わせもあります。
非抜歯での矯正治療が最もいい治療方法だと考えていますが、歯並びによっては抜歯が必要になる場合があります。たとえば歯の大きさと顎の骨の大きさの調和がとれず、小さな顎に大きな歯が無理やり並んでいて、とても窮屈な歯並びの方や、上顎だけ下顎だけで見るときれいな歯並びなのに、噛み合わせてみると上顎と下顎でひどくズレて噛んでしまっているようなときには、抜歯が必要になる場合があります。
もちろん非抜歯での矯正治療を最優先いたしますが、どうしても歯を抜かなければ治せない歯並びの方も大勢いらっしゃいます。できるだけ患者さんのご希望を優先したいのですが、どうしても歯を抜かなければ治せない歯並びなのに、患者さんに抜歯の決断ができない場合には、残念ではありますが、矯正治療を見合わせていただくこともあります。